サウナってヤケドしないの?|サウナQ&A

80~90℃のサウナでもヤケドすることはない

結論から言うと、80~90℃のサウナに入ってもヤケドをすることはありません。なかには室温が100℃を超えるサウナも存在しますが、温度が上がっても同様にヤケドの心配はありません。

100℃近い熱湯がかかったら確実にヤケドしてしまうのに、100℃のサウナに入ってもヤケドしないのはなぜでしょう?

そこには以下の3つの理由があります。

  • 空気の熱伝導率の低さ
  • サウナ内の湿度の低さ
  • 汗が体温を調節している

サウナでヤケドをしない最大の理由は①の空気の熱伝導率の低さにあります。100℃の熱湯ではすぐにヤケドしてしまいますが、100℃の空気ではすぐにはヤケドしないのです。

そこに ②サウナ内の湿度の低さ ③汗が体温を調節している といったほかの要因が加わることで、ヤケドをしない環境が完成していると考えられます。

理由① 空気の熱伝導率の低さ

高温のサウナでヤケドしない理由には空気の熱伝導率が関係しています。

熱伝導率とは熱の伝わりやすさのこと。空気の熱伝導率は水の1/20と言われているため、同じ90℃でも熱が皮膚に伝わるまでには時間がかかります。サウナに入浴している時間は大体10分ほどですから、皮膚が高温になる前にサウナから出ることになるのですね。

また、サウナでは極力動かずじっとしていることが正しい過ごし方ですが、体を静止させることで体の表面には空気の層ができます。熱伝導率の低い空気の層をまとうことで熱から体を守っているのですね。ちなみに体を動かすと空気の層は乱れるため、じっとしているときよりもサウナ内を歩いているときのほうが体に熱を感じますよ。

理由② サウナ内の湿度の低さ

80~90℃のサウナは「ドライサウナ」といい、高温に加えて湿度が低いことが特徴です。この湿度の低さもサウナのヤケド防止に大きく関係しています。

前述の通り空気は水に比べて熱伝導率が低いです。湿度が低い=空気中の水分が少ないため、ドライサウナは湿度が高い環境に比べて熱を通しにくいのです。

サウナには「ミストサウナ」と呼ばれる湿度の高いものもありますが、ミストサウナの室温は40~60℃ほど。もしミストサウナの室温がドライサウナ同様100℃近くあった場合、私たちはたちまちヤケドをしてしまうでしょう。

そのため「ドライサウナ=高温かつ湿度が低い」「ミストサウナ=低温かつ湿度が高い」という構図は安全面からみても正しい設定なのです。

理由③ 汗が体温を調節している

サウナに入浴すると大量に汗をかきますが、じつは汗には体温を調節する機能があります。

汗をかくと皮膚の表面には水分の膜ができます。「水の熱伝導率が高いということは、水分の膜によって熱が早く伝わるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、水は熱伝導率の高さと同時に温まりにくい性質も持っています。そのため皮膚が高温になるのを遅らせて、ヤケドから身を守ってくれるのです。

また、サウナの高温で汗は蒸発していきます。水分が蒸発するときは、周囲の熱を吸収する気化熱の原理が働くため汗の蒸発とともに体の持つ熱も吸収されていくのです。

サウナでヤケドする2つのパターン

ここまでお伝えした理由から、私たちは100℃近いサウナに入浴してもヤケドをすることはありません。しかし、サウナの利用方法を間違えてればヤケドを負う可能性もあります。

1. 長時間サウナに入浴する

サウナでヤケドをしない理由として「空気の熱伝導率の低さ」を解説しましたが、空気は熱を伝えるのが遅いだけで熱を遮断しているわけではありません。したがって、長時間サウナに入浴すると空気が熱を伝えきってヤケドを起こします。

実際に海外ではサウナ内で気を失ってヤケドを負った事例があるようです。サウナに入浴する際はくれぐれも無理をしないようにしましょう。

2. 金属製のアクセサリーを着用したまま入浴する

金属製のアクセサリーを着用したままサウナに入浴すると、サウナの高温で金属が熱されてヤケドを引き起こす可能性があります。普段つけている指輪やネックレスはサウナでは外して入浴しましょう。