この記事では意外と知らないサウナの歴史を紹介します。
サウナの起源はフィンランドのカレリア地方
サウナの起源はフィンランドのカレリア地方で使用されていた食料庫がいつしか沐浴の場となったともいわれています。
フィンランドは国土の1/3が北極圏にあり、アイスランドに次ぐ世界最北の国であるため、冬(11~3月)は長く寒い時期が続きます。
引用元:フィンランドの文化や風土
このような過酷な環境で生活するフィンランドのフィン族が、厳しい寒さと労働の疲れをいやすために生活の知恵として生み出した「自然健康法」がサウナです。
現在、フィンランドに存在するサウナは200~300万にものぼるといわれています。
近年では北欧をはじめ、ヨーロッパやロシアなどに受け継がれて、日本には1963年頃から紹介され、今やサウナ愛好家は1000万人を越すほど、広く利用されています。(引用元:サウナ読本)
フィンランドはサウナ発祥の地であり、サウナ大国でもあるのですね。
日本のサウナの歴史は1961年から
日本にサウナが登場したのは1961年。1956年のメルボルンオリンピックにクレー射撃の代表として参加した許斐氏利さんが外国人選手たちが利用している「ソーナ」を目にしたことがきっかけです。
当時まだサウナという言葉はなく、許斐さんは日本の蒸し風呂によく似た施設だと感じたようです。(引用元:ニッポン放送)
フィンランドの陸上選手たちは長距離走のスタミナ回復にこのソーナを使っていました。疲労回復を求めてお風呂に入る日本人にも浸透するのではないかと思い、自身の経営する銀座の温泉施設「東京温泉」に導入したのが始まりだといわれています。
ちなみに「サウナ」という名前はこの「ソーナ」という外来語です。
その後、1964年の東京オリンピックで選手村にサウナが設けられたことで日本のサウナブームは一気に加速していきました。
2020東京オリンピックでもサウナは設置
ちなみに56年後の2020東京オリンピックでもサウナは設置されていたようです。
時は流れて、2021年。先日閉幕した東京五輪、現在開催中の東京パラリンピックで使われている選手村や、日本人選手が練習に活用した「味の素ナショナルトレーニングセンター」(東京・北)には、サウナが設置されている。スポーツ選手にとって、なくてはならない施設として定着したようだ引用元:J-CASTニュース
蒸し暑い日本で夏のオリンピックを開催するにあたり、暑さ対策のために国際オリンピック委員会(IOC)は予防策を打ち出しました。
IOCが呼びかけたのは、
- 暑熱順化(暑さに体を慣らす)
- 身体冷却
- 水分補給
の3つ。この中で暑熱順化のためにサウナも有用としています。
オリンピック開催中のだけでなく、オリンピック前にもサウナでトレーニングなんて日本のオリンピックとサウナの関係は意外と深いかもしれません。
日本の蒸気浴の歴史はかなり長い
たしかに現在広く普及しているフィンランド式サウナはフィンランドが発祥の地ですが、そもそもサウナとは蒸し風呂や蒸気浴の一種です。
実は、日本における風呂とはもともと「蒸し風呂」などお湯につからない蒸気浴のことでした。お湯に浸かることは単に「湯」と呼ばれ別の入浴方法のことでした。
日本の蒸し風呂の歴史は奈良時代よりも古く、洞窟などに火を焚いて、空間全体を加熱したあと熱気に満ちた室内に籠る熱気浴であったと言われてます。
ここに水を含んだ海藻類などを敷き、海水や水を撒いて蒸気が充満した室内に入り、原始的なサウナの一種を作っていたようです。(引用元:サウナ総研)
奈良時代に入り仏教が伝来すると、お寺の浴堂で蒸し風呂に入る習慣が生まれ始めます。お寺での施浴は、庶民にとってうれしい施しであり、入浴を楽しむ事を知る事となりました。
奈良県の尼寺・法華寺には「からふろ」と呼ばれる蒸気浴の施設が750年ごろに作られ、何度か再建されながらも残っています。
1300年前から蒸気浴の施設が作られていたなんて、現代の日本人がサウナを好むのも当然かもしれませんね。